家ガチャ
「お前僧侶やのに煩悩まみれやん」
友達によく言われた。
小さい頃からレッテルが貼られている。これは、いい意味だけでなく悪い意味でも。
僕は聖人なんかではない。ただ、お寺に生まれただけ。日々その葛藤と戦ってきた。いや、今も戦っている。
学生の頃は、羨ましいと思われることが多かった。もう将来安泰やん、て思われることが多かったから。(別に安泰ではないけど)
必然的に、自分とは違う人間であるということで線引きがされていた。
「親ガチャ」という言葉がちまたで今、流行している。
僕の場合、「家ガチャ」なのかもしれない。どうしても変えることができない。
犬か猫で言ったら、猫なのだろう。猫は家に付くというから。
でも猫でもない。猫みたいに自由気ままには生きれない。犬のように、人に従うことが得意になってしまった。
猫でも犬でもない、煩悩にまみれた人間なのだ。
良くも悪くも僧侶の息子として、生まれてきた。
「家ガチャ」でお寺を引き当てた。
これは果たしてノーマルなのかスーパーレアなのか。これは、ソシャゲーのように始めから分かっているわけではない。僕自身が決めていかなければならない。
果たして答えは出せるのだろうか。
多分、一生答えは出せないと思う。
でも、僕はスーパーレアだと思えるようにしたい。もちろん、ノーマルだと思って逃げることもできる。それをしないのは、僕の中でスーパーレアである可能性を探っているから。自分の切り札のカードだと思って愛せるようにしたいから。
これからもっと学んでいきたい、なんて思っている。